ウンヒョングン(雲峴宮)、空との距離一尺五寸
□ 今回の展示は、ソウル歴史博物館の最大のコレクションであるウンヒョングン(雲峴宮)の遺物をお披露目する場である。
ソウル歴史博物館は1993年から現在に至るまで、雲峴宮所蔵の遺物の寄贈を約10回以上にもわたって受けている。また、フンソン(興宣)大院君と雲峴宮関連遺物を集中的に収集しており、現在8,000点あまりを所蔵している。
□ 本展示は、「第1部:フンソン(興宣)大院君の生涯と視線を通じて眺めるウンヒョングン(雲峴宮)」、「第2部:壬午軍乱後、清により保定府に幽閉されていた時期のフンソン(興宣)大院君の生活ぶりを初公開」、「第3部:ウンヒョングン(雲峴宮)の会計帳簿から一目で分かる収入と支出」、「第4部:礼葬庁謄録を通じてたどる府大夫人と大院君の最後の道程」、「第5部:壬寅進宴図屏風について」の5部で構成されている。
今回の展示は、ウンヒョングン(雲峴宮)を散策する気分で、各空間に展示されたフンソン(興宣)大院君の政治と芸術、生涯と苦しみを実感できるまたとない機会になるだろう。
第1部 フンソン(興宣)大院君の生涯と視線を通じて眺めるウンヒョングン(雲峴宮)
□ 本展示は、フンソン(興宣)大院君の芸術世界または政治的な立場を紹介する従来の展示とは異なり、コジョン(高宗)の即位から在位40年に至るまで、フンソン(興宣)大院君の生涯と視線を通じてウンヒョングン(雲峴宮)に込められている歴史と遺物について紹介する。
□ 王であるコジョン(高宗)よりも強力な権威を発動させていた時代のノアンダン(老安堂)、高宗とミョンソン(明成)皇后の結婚式が行われたノラクタン(老楽堂)、権力の座から引いた後の老年期を過ごしたイロダン(二老堂)など、ウンヒョングン(雲峴宮)の多彩な空間をフンソン(興宣)大院君の回想をもとに組み替え、展示している。
第2部 壬午軍乱後、清により保定府に幽閉されていた時期のフンソン(興宣)大院君の生活ぶりを初公開
□ 本展示では、フンソン(興宣)大院君が清の保定府に幽閉されて過ごしていた時期について初めて一般に紹介する。これまではほとんど知られていなかった興宣大院君の孤独な幽閉生活の様子を、家族に送った短い手紙や、孫のイ・ジュンヨン(李埈鎔)の誕生日プレゼントとして描いて送った墨蘭画、幽閉生活中の記録である『石坡雑記』などを通じて、息づかいが感じ取れそうなほどリアルに展示している。
第3部 ウンヒョングン(雲峴宮)の会計帳簿から一目で分かる収入と支出
□ 『統照須知』は、ウンヒョングン(雲峴宮)の財政状況を詳細に記録した会計帳簿だ。これを通じて、1889~1892年までの雲峴宮の収入及び支出など、細かい明細を知ることができる。
第4部 礼葬庁謄録を通じてたどる府大夫人と大院君の最後の道程
□ コジョン(高宗)は府大夫人の死亡直後にウンヒョングン(雲峴宮)に礼葬庁を設置して葬儀を主管させたが、礼葬庁という臨時官庁が設置されたのは、朝鮮の開国以来初めてのことだった。この機関が葬礼に関する儀式、手順などを整理して作成した本が『礼葬庁謄録』である。この展示では礼葬庁謄録の内容をもとに、葬儀の過程全体を整理し、細かい内容について紹介する。
第5部 壬寅進宴図屏風について
□ 最後の第5部では、ソウル歴史博物館が最近にウンヒョングン(雲峴宮)から寄贈を受けた壬寅進宴図屏風について紹介する。
- 壬寅進宴図屏風は、1902年望六旬(51歳)になったコジョン(高宗)がキロソ(耆老所)に入ることを記念し、新しい皇宮のキョンウングン(慶運宮)にて開かれた王室の行事を描いた屏風である。